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開催趣意

 

 がん理学療法部門主催リンパ浮腫理学療法カンファレンスでは、第1回で専門性を探るべく「運動療法」を、第2回ではマクロの視点で「浮腫」全体の病態を理解するというテーマで進めてまいりました。第3回では複合的治療の1つの要素である「用手的リンパドレナージ」にフォーカスします。

 元々色素法の時代に開発された用手的リンパドレナージですが、これまでもその効果について科学的根拠が乏しいとする意見は散見されています。日々の臨床でも治療者の技量が問われるこの技術について、治療の担い手である我々が、現場の根拠や意見を整理して、現状を理解することは大切です。第1回と同様に今回の大会企画を通じて用手的リンパドレナージの研究課題を整理したいと思います。

 他方、本邦のリンパ浮腫複合的治療料が保険収載され4年が経過します。日本理学療法士協会は日本作業療法士協会と共催で、リンパ浮腫複合的治療の担い手を養成する研修会を開催し、昨年度は東京、大阪、福岡の3会場での養成をするまで体制を拡大しました。

世界的な潮流としては、今年更新された国際リンパ学会のコンセンサスドキュメントにおいて、対処的なアプローチではなく予防的なアプローチを進めるための無作為化試験の積み重ねが必要であると取りまとめられました。本邦でも治療技術者の育成のみならず、研究的視点を備え研究課題に取り組む体制を支えることが必要です。初のオンライン開催である今回は、対面式だった従来の休憩時間や非公式のオフサイトミーティングで行われていたような個別相談を、公式企画として設けます。

 ご参加の皆様の翌日からの臨床に役立つ企画となれば幸いです。

第3回リンパ浮腫理学療法カンファレンス

実行委員長 山本 優一

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